Stomp Effector

【使用レビュー】Tech21 SansAmp Classic

2021年9月4日

多彩な歪みサウンドが得られるアンプシミュレーターの草分け的ペダル、Tech21 SansAmp Classicを紹介します。

私の26年にわたる個人的な使用経験に基づいて、ここがおすすめというポイントだけではなく、ちょっとね~というようなマイナスのポイントや、使用の際に注意すべきポイントもあわせて紹介します。

この機種を導入しようかどうしようか迷っている方に参考になれば幸いです。

商品概要

  • メーカー:Tech21
  • メーカーサイト:https://www.tech21nyc.com
  • 商品名:SansAmp Classic
  • メーカー商品サイト:
    https://www.tech21nyc.com/products/sansamp/classic/
  • 概要:ペダルエフェクター オーバードライブ・ディストーション
  • 取扱説明書(英語):
    https://www.tech21nyc.com/t21manuals/Classic-OM.pdf
  • レイテンシー:バイパス音との差:ゼロ
  • サイズ:
  • 重量:
  • バッテリー寿命:
    9Vアルカリ電池使用時:6ヶ月~12ヶ月(マニュアル)、長持ちしすぎで計測不能(実測)
  • 実勢販売価格:50,000円弱(1995年7月)
  • 購入時期:1995年7月

良い点

1. バラエティ豊かな音色

インプットスイッチが3種類、キャラクターコントロールのDIPスイッチが8種類あるので、単純計算で2^8*3=768種類の音色が出せます。

それぞれのスイッチは以下のような性質があります。

インプットスイッチ

- LEAD - Marshallタイプ

- NORMAL - Mesa Boogieタイプ

- BASS - Fenderタイプ:「BASS」と名前が付いているからベース用だと思ったらそれは誤解です。私はこのBASSポジションで使うことが一番多いです。

DIPスイッチ

#1: Mid Boost1 :#1と#2の組み合わせで中域のPre-EQ特性を設定します

#2: Mid Boost2

#3: Low Drive :低域のPre-EQ特性を設定します

#4: Clean Amp :これをONにすると歪みが少なくなります

#5: Bright Switch:いわゆるブライトスイッチです

#6: Vintage Tube :真空管のへたり感をだすスイッチです

#7: Speaker Edge:スピーカーのエッジサウンドを加えるとのことです

#8: Close Miking :スピーカーキャビをマイキングした音をエミュレートします

正直なところ、今日のアンプシュミレーターの品質向上を考えると、#7と#8は使わなくてもいいかなという感じです。

2. 電池で駆動する

純正のACアダプターが付属していますが、センタープラスでジャックが通常のACアダプターと異なるミニフォーンジャックです。

9V電池でも駆動します。バッテリー寿命はマニュアルによると「6ヶ月~12ヶ月」とのことなので、確認検証はあきらめます。すいません。

3. ヘッドフォンアンプとして使える

マニュアルに記載の通り、アウトプットジャックにはヘッドフォンを直接差しても大丈夫です。

旅行先などの練習には持ってこいではないでしょうか。

4. ゼロ・レイテンシー

レイテンシーの測定結果は以下の通りです。

カスタムFETハイブリッドモジュールを採用しているとのことなので警戒するところですが、目立ったレイテンシーは測定できませんでした。

アナログ機材って本当に素晴らしいですね。

悪い点

1. 高価格

私が1995年に購入した時は、49,800円もしました。

いくら多彩な音が出るからといっても、ペダルエフェクターにこの値段はあんまりでした。

今はオークションサイトで2万円から3万円くらいで出品されているようです。Tech21のサイトによると復刻版が2021年に登場するとのことです。

(https://www.tech21nyc.com/products/sansamp/classic/)

2. DIPスイッチは設定変更が大変

DIPスイッチはとても小さく、設定変更は大変です。

爪の先で変更していますが、間違って隣のDIPスイッチが動いたりしてしまいます。

マニュアルには「ライブ中に設定を大幅に変えることは推奨しません(It is not recommended to change settings drastically in live use.)」とあります。

そりゃそうだ、と納得です。

3. パラメーターが記録できない

通常ペダル型のエフェクターのパラメーターは本体に保存できないので、私はつまみの位置をiPhoneで撮影しておくことで記録しています。

ところがこの機種はDIPスイッチを使っているため、写真にその設定がよく写らないのです。

しょうがないので、つまみの位置およびDIPスイッチパラメーターを以下のような記録方法でメモしておくことにしました。

[PresenseDriveつまみ] - [Outputつまみ] - [AmplifierDriveつまみ] - [Highつまみ]
[ディップスイッチ設定:0はoff, 1はon]
[インプットスイッチ]

ちなみに、私がよく使う設定は以下の通りです。

5-6-3-6 10110100 Bass Cutting用

7-4-3-7 01100100 Bass Crunchセッティング

まとめ

今後もまだまだ活躍してくれることと思っています。

復刻版も出るとのことですので、できれば皆さんもぜひこの素晴らしいペダルを触ってみてください。

    -Stomp Effector