Multi Effector

【使用レビュー】Line6 HELIX 3.50 ファームウエア・アップデート

随分遅くなりましたが、2022年11月8日にアップデートされたHELIX 3.50アップデートを紹介します。

全く新しいキャビネット・エンジンと新しい24種類(ギター20種類、ベース4種類)のキャビネット、新しいアンプモデリング5種類、新しいエフェクト7種類を含む、大変充実したアップデートになっています。

私も早速アップデートして使ってみましたので、レビューをします。

この記事はこんな人におすすめ!

  1. HELIX 3.50ファームウェア・アップデートをやる価値があるかどうか知りたい
  2. ファームウェア・アップデートのやり方について知りたい
  3. ファームウェア・アップデートをやる際の注意点について知りたい
【使用レビュー】Line6 HX Stomp

多機能・高音質のマルチエフェクター、Line6 HX Stompを紹介します。今、私が一番気に入って ...

アップデート方法

1. Helix/HXをUSBケーブルでMac/PCに接続し、Helix/HXの電源を入れる。

2. HX EDITアプリでバックアップをとる

これをしておかないと、せっかく作ったパッチが全部消えてしまいます。

3. HX EDITの中から3.50アップデーターをダウンロードして、アップデートを実行する

アップデートが始まります。当然ですが、アップデート中は絶対にUSBケーブルを引き抜かないでください。

4. Helix/HXのファクトリーリセットを行う

各機種のやり方は以下のとおりです。

- Helix Floor/LT: フットスイッチ 9 & 10(下段の中央2つ)を同時に押しながら電源を入れる。

- Helix Rack: ノブ5 & 6 (画面下の右側2つ) を同時に押しながら電源を入れる。

- HX Effects: フットスイッチ 6 & TAPを同時に押しながら電源を入れる。 

- HX Stomp: フットスイッチ 2 & 3(右2つ)を同時に押しながら電源を入れる。 

- HX Stomp XL: フットスイッチ C & Dを同時に押しながら電源を入れる。 

5. HX EDITで上述2でとったバックアップからリストアする

これで完了です。早速使ってみましょう!

新しいキャビネット

1. 新しい20種類のギターアンプ・キャビネット

2. 新しい4種類のベースアンプ・キャビネット

3. DSP消費量の軽減

新しいキャビネットはHelix Coreの改良により、DSP消費量がおよそ66%~80%軽減するとのことです。

互換性を維持するために、これまでのキャビネットはLegacy SingleLegacy Dualのサブカテゴリーに写されています。

このLegacyキャビネットは、これまでと同様にDSPを消費するので、DSP消費のダイエットをするためには、新しいキャビネットに置き換える必要があります。

4. キャビネットのセッティング・パラメーターの変更

Legacyキャビネットのセッティングパラメーターは以下の通りでした。

- Mic:16種類のマイクモデルの中から1つを選ぶ

- Distance:マイクとスピーカーグリル間の距離(2.5~30cm)を設定する

- Low Cut:低周波数部分の除去

- High Cut:高周波数部分の除去

- Reflec:アーリーレフレクションの設定

- Level:キャブの出力レベルの設定

新しいキャビネットのセッティングパラメーターは以下の通りです。アーリーリフレクションのパラメーターがなくなって、4つパラメーターが新たに増えました。

- Mic:12種類のマイクモデルの中から1つを選ぶ。マイクの種類は2種類増えて、6種類減りました。

57 Dynamic:Shure SM57

421 Dynamic:Sennheiser MD 421-U

7 Dynamic:Shure SM7

906 Dynamic:Sennheiser e906 [New]

30 Dynamic:Heil Sound PR 30

121 Ribbon:Royer R-121

160 Ribbon:Beyerdynamic M 160

4038 Ribbon:Coles 4038

84 Ribbon:AEA R84 [New]

414 Cond:AKG C414 XLS

47 Cond FET:Neumann U47 FET

67 Cond:Neumann U67

- Position:スピーカーコーンに対するマイクの横方向の位置を設定する。Center~Cap Edge~Edgeから選択する。[New]

- Distance:スピーカーコーンからマイクの距離を設定する。1.00から12.00まで1/4刻みで選ぶ。

- Angle:マイクの角度を設定する。0はスピーカーに直接向けられ、45はOff AXISのポジション。[New]

- Low Cut:低周波数部分の除去

- High Cut:高周波数部分の除去

- Level:キャブの出力レベルの設定

- Pan (Dual only):ステレオのフィールド内で左右にシグナルを移動させる。[New]

- Delay (Dual only):片側にディレイをかけることによって位相のずれを生じさせたりする効果を出す。[New]

選べるマイクの数が減った以外は、設定できるパラメーターが増えてより細かい調整ができるようになっています。

減ったマイクモデルは以下の6つです。

- 409 Dynamic:Sennheiser MD 409

- 20 Dynamic:Electro-Voice RE20

- 84 Cond:Neumann KM84

- 87 Cond:Neumann U87

- 112 Dynamic:AKG D112

- 12 Dynamic:AKG D12

新しいアンプ

1. MOO)))N T Nrm アンプ

Sunn Model TのNormal Channelがベースになっているアンプモデルです。Fender Bassmanに近い音が出ます。

2. MOO)))N T Brt アンプ

Sunn Model TのBright Channelがベースになっているアンプモデルです。

3. MOO)))N T Jump アンプ

Sunn Model TのNormal+Bright Channelのジャンプがベースになっているアンプモデルです。

4. PV Vitriol Crunch アンプ

Peavey Invective (Master boost off)のCrunch Channelがベースになっているアンプモデルです。

5. PV Vitriol Lead アンプ

Peavey Invective (Master boost off)のLead Channelがベースになっているアンプモデルです。

新しいエフェクト

1. Pillars ディストーション

Earthquaker Devicesの人気ディストーション、Plumes distortionをベースにしたディストーションです。

オリジナル機と同じく、Modeパラメーターでクリッピング回路の種類を選べます。

1はSymmetrical(対称)LEDのクリッピング、2はオープンなオペアンプの歪み、3はAsymmetrical(非対称)シリコンダイオードのクリッピングです。

2. Vital Dist ディストーション

Earthquaker DevicesのLife pedal V2のAmplitude sideをベースにしたディストーションです。

これもオリジナル機と同じく、ClipパラメーターでOpAmp(オペアンプの歪み)、Asymm(非対称のシリコンダイオードのクリッピング)、Symm(対称LEDのクリッピング)から選ぶことができます。

Octaveパラメーターで、1オクターブ上の信号をブレンドすることができますが、12フレット以上の高音域で演奏しないとよく聞こえません。

3. Vital Boost ブースター

Earthquaker DevicesのLife pedal V2のMagnitude sideをベースにしたブースターです。

パラメーターはBoostのみです。

オリジナル機には、ブースターのフットスイッチとオクターバー+ディストーションのフットスイッチの2つがあり、このエフェクトモデルはブースターのフットスイッチをモデリングしたものと言えそうです。

Life pedalオリジナル機と同じように使うには、Vital Dist→Vital Boostの順に並べれば良いのではないかと思います。

4. 4-Voice Chorus コーラス

Line 6のオリジナルコーラスで、Voicesパラメーターでコーラスの声数を2~4から選ぶことができます。

薄いコーラスから分厚いコーラスまで幅広く使用できます。

5. FlexoVibe コーラス

Line 6のオリジナルコーラスです。

IntensityパラメーターとWarpパラメーターにより、えげつないコーラス音を出すことができます。

6. Dynamic Ambience リバーブ

Line 6のオリジナルリバーブで、DSPにかける負荷が小さいのが便利です。

他のスロットでディストーションやモジュレーションをたくさん使うと、負荷の大きなリバーブは選択不可能になり、選べるのがこのリバーブだけといったことも起こります。そんなときに便利です。

7. Boctaver オクターバー

出ました。日本が誇るBossのOC-2 Octaverがベースになっています。1オクターブ下と2オクターブ下の信号を加えることができます。

まとめ

以上、HELIX 3.50アップデートを駆け足でレビューしましたが、いかがでしょうか。

HELIXを持つユーザーの喜びは、このような機能追加がタダで定期的に得られることで、これはBossやZoomなどの日本のメーカーではなかなか得られない特権です。

レビューが遅れて申し訳ありませんでしたが、今後もどんどん追っかけていきたいと思います。

大変満足のいくアップデートではないかと思います。


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