多機能・高品質・低レイテンシーのオーディオ・インターフェース、MOTU UltraLite mk4を紹介します。
私の5年間の個人的な使用経験に基づいて、ここがおすすめというポイントだけではなく、ちょっとね~というようなマイナスのポイントや、使用の際に注意すべきポイントもあわせて紹介します。
特にみなさんがオーディオインターフェイスを購入する際に気になるレイテンシーについては、いろんなサンプリング周波数やサンプル数に対する測定結果を詳細に解説します。
この機種を導入しようかどうしようか迷っている方に参考になれば幸いです。
商品概要
- メーカー:MOTU
- メーカーサイト:https://motu.com/en-us/
- 国内代理店サイト:
https://h-resolution.com/product-category/motu/ - 商品名:MicroLite mk4
- 国内代理店商品サイト:
https://h-resolution.com/product/motu-ultralite-mk4/ - 概要:オーディーオインターフェース、
18in/22out、
サンプリング周波数44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz、
エフェクト用DSP内蔵 - 取扱説明書(英語):
https://s3.amazonaws.com/motu-www-data/manuals/proaudio/UltraLite-mk4_User_Guide.pdf - 内蔵ファームウェアのバージョン:1.3.5+241
- レイテンシー:ラウンド・トリップ・レイテンシー(RTL)
約2.1ms(48KHz/16samples) - サイズ:幅x高さx奥行 220mm x 45mm x 178mm
- 重量:1.1kg
- バッテリー寿命:ACアダプターより電源供給のため、電池使用不可。
- 実勢販売価格:70.000円弱
(2017年11月、2021年5月現在販売終了) - 購入時期:2017年11月
良い点
1. 低レイテンシー
ラウンド・トリップ・レイテンシー(RTL)の測定結果は以下の通りです。
- 48kHz/64samples : 4.146 ms
- 48kHz/32samples : 2.812 ms
- 48kHz/16samples : 2.146 ms
- 96kHz/64samples : 2.531 ms
- 96kHz/32samples : 1.865 ms
- 192kHz/64samples : 1.688 ms
この数字は驚異的ではないでしょうか。
2020年の新製品のUltraLite mk5もここまで早くはないとの報道です。(一方、プリアンプのヘッドルームなどはmk5の方が優れているとのことです。)
この機器さえあれば、あとは小さいバッファサイズでのサウンド処理が可能な高速のMac/PC/iOS機器とアプリケーションさえ確保できれば、ソフトウエアのエフェクターで据え置き型のマルチエフェクターと同等のレイテンシーによる演奏することも夢ではなくなります。
残念ながら、私の2017年iMacでは、192kHz / 64samples ・96kHz / 32samples・48kHz / 16samplesではポッピングノイズが出てリアルタイムでは使い物になりません。
今のところ私のiMacで現実的に使用可能な周波数/バッファサイズは、96kHz / 64samplesか、48kHz / 32samplesといったところです。
これは当オーディオインターフェースの問題ではなく、CPUならびにアプリケーションソフトの問題です。
AppleにはM1プロセッサによるCPU処理速度の更なる高速化、ソフトウェアベンダーにはM1ネイティブ化による更なるアプリケーションの高速化を期待します。
2. 十分すぎる入出力と柔軟な配線
付属ソフト(Web版CueMix)を使って、UltraLiteにつないだギターのダイレクトオンをアプトプットにアサインして足元のベダルエフェクターヘつないだり、内部のAUX経由で複数チャンネルに振り分けてマルチアウトにしたり、自由度の高い配線が可能です。
例えば、以下の簡単なセッティング例では、Mic2に接続したギターの音はMac/PCのInput2に流れると同時にAnalog7 Outputにも流すことができます。
Analog7 Outputから通常のストンプエフェクターとアンプに接続することにより、Mac/PC本体内のレイテンシーを心配することなく、演奏・録音が可能になります。また、Mac/PC内のシーケンサーに録音された音は素のギターの音なので、録音後に好きなようにリアンプすることができます。
ただし、Web版のCueMixの使い方にはあまりに多機能なので、ちょっとした慣れが必要です。
3. MIDI搭載
素晴らしいことに、当機種はMIDI IN/OUTを一つずつ搭載しています。
オーディオ・インターフェイスは数多く販売されていますが、MIDIを搭載していない機材は選択の対象になりません。
2020年のMOTUの新製品M2 / M4 / UltraLite mk5も、全てMIDIを搭載していて、これは素晴らしいことだと思います。
悪い点
1. 高価格
2021年10月現在、販売は終了しているようです。
私が2017年に購入した時は、7万円弱でした。
これだけの機能があってこの価格はしようがないかなという感じです。
2. CueMix Webアプリが時々不安定
MacとiOS両方で使えるようにするための措置だったのかもしれませんが、挙動が不安定です。
たまに画面が真っ黒になってミキサー画面が表示されないことがあります。
一方、Webアプリにしたことにより、MacにつないだUltraLiteをiPad上で稼働するCueMixで遠隔操作することができるようになりました。
これはちょっと便利になった点です。
3. 付属ソフト
付属しているソフト、AudioDeckというのがちょっといただけません。
10年前のソフトのようなアピアランスで、とてもデザイン性の高いMOTUの製品には見えません。MOTUのDP11のようなアピアランスになっていないのが残念です。
通常私はMIDIを使わないオーディオの編集にもLogic Pro Xを使っているので、このソフトを使うことはありません。
まとめ
UltraLiteの新製品mk5のレイテンシーがまだ当機の速さを上回っていないので、今後UltraLite mk5やM4を購入することがあっても、当機は当面使い続けようと思っています。
もう製造は終わっているようですが、レイテンシーにうるさい方は、もし中古屋でいい値段で見つけたら是非入手されることをお勧めします。
【使用レビュー】MOTU M4
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