低価格マルチエフェクター、ZOOM MS-50Gを紹介します。
私の1年間の個人的な使用経験に基づいて、ここがおすすめというポイントだけではなく、ちょっとね~というようなマイナスのポイントや、使用の際に注意すべきポイントもあわせて紹介します。
特に皆さんがマルチエフェクターを導入する際に気になるレイテンシーについては、測定結果を詳細に報告します。
この機種を導入しようかどうしようか迷っている方に参考になれば幸いです。
商品概要
- メーカー:ZOOM
- メーカーサイト:https://zoomcorp.com/ja/jp/
- 商品名:MS-50G
- 商品サイト:
https://zoomcorp.com/ja/jp/multi-effects/multistomp-pedals/ms-50g/ - 機能概要:マルチエフェクター
- 取扱説明書(日本語):
https://zoomcorp.com/ja/jp/multi-effects/multistomp-pedals/ms-50g/ms-50g-support/ - 内臓ファームウェアのバージョン:Ver 3.10
- レイテンシー:ダイレクト接続の音との差:約1.5ms
- サイズ:幅x高さx奥行 78mm x 59mm x 130mm
- 重量:350g
- 電源:単3電池x2本またはACアダプター(別売)により供給
(9V/センターマイナス) - バッテリー寿命:単3アルカリ電池使用時:約7時間
(メーカー公表値) - 実勢販売価格:11,000円弱(2021年10月現在)
- 購入時期:2020年6月
良い点
1. コンパクトなデザイン
マルチエフェクターでありながら、サイズはストンプエフェクターと同じです。
場所をとらないので置き場所に困りません。
2. 電池駆動
単3電池2本、またはセンターマイナスの9VのACアダプターで駆動します。
充電式の1.2Vの単3電池でも使用可能です。
電池の交換は裏側の蓋を外すだけでいいので、ドライバーは不要です。
3. 豊富なアンプモデル・エフェクター数
買ったばかりの状態では100種類のエフェクターがMS−50G本体に内臓されています。
その後にMS-50GとMac/PCをUSBで接続して、Mac/PC上で「MG-50G Effect Manager」を起動することにより、追加の72種類を含めた全172種類の中から好きなエフェクターを追加することができます。
内訳は、コンプ系が10種類、フィルター/ワウ/イコライザー系が15種類、歪み計が32種類、アンプシミュレーターが22種類、モジュレーション系が33種類、SFX系が6種類、ディレイが25種類、リバーブが 29種類です。
私は歪み系とアンプシミュレーターは全部試しましたが、正直言ってその他はまだ全部は試し切れていません。
歪み系とアンプシミュレーターの種類が大変多いのが魅力です。
4. アンプシミュレーターに搭載の「Tube」パラメーター
MS−50Gで私が特にお気に入りなのが、アンプシミュレーターの全種類に搭載されている「Tube」パラメーターで、これをいじることによって真空管アンプのコンプレッション感を調整することができます。
これがよく効いて最高です。
5. 自由な配列
前述の172種類のエフェクターを自由に6個配置することができます。
したがって、歪み6連結などの極端な配置も可能となります。
この値段で、この自由度はすばらしいのではないでしょうか。
6. 低レイテンシー
エフェクター内を経由しない音と比べたレイテンシーの測定結果は以下の通りです。内臓エフェクターを何も選ばない状態でもほぼ同じ結果でした。
結果:00:00:00.03 = 03 / (25 x 80) x 1000 = 約1.5ms
かなり優秀ではないかと思います。
悪い点
1. パッチをMac./PCに保存できない
驚くべきことに、前述の「MG-50G Effect Manager」は内臓エフェクターの入れ替えをするだけで、パラメーターを含めたパッチを保存することができません。
ユーザーパッチは50個しか本体に保存できないので、これでは到底足りません。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり、インターネットの海を探すと、困った私のような悩める子羊のためにエディター/ライブラリアンを開発してくださった神のようなお方のソフトを手に入れることができます。
https://www.g200kg.com/archives/2017/05/zoom-ms-50g.html
g200kgさん!ありがとうございます!
2. パッチ内の個々のエフェクターをon/offする手段が面倒
パッチ内の個々のエフェクターをon/offすることは可能ですが、そのためには対象となるエフェクターを画面に表示しておかないといけません。
例えば、オーバードライブエフェクターをフットスイッチでon/offしたければ、そのオーバードライブを画面に表示しておく必要があります。
一方、その状態では、例えばディレイなどの別のエフェクターをon/offすることはできません。
画面に表示されるエフェクターを切り替えるためには、真ん中の大きなフットスイッチの周りにある丸くて黒いスイッチの左か右を押す必要がありますが、これを足の指で押すことができる人は超人でしょう。足がつります。
3. 172種類のエフェクターを全て本体に内臓することはできない
驚くべきことに、本体には154種類のエフェクターしか内臓することができません。
買ったばかりの時は100種類のエフェクターが内臓されていて、空いているのは54個分だけです。
したがって、追加の72種類を全て試したいのならば、買った時に入っていたエフェクターのうち18種類を消さなければいけません。
なんともしょっぱい現実です。
まとめ
ストンプタイプのマルチエフェクターという唯一無二の逸品です。
是非皆さんもこの機種を触って楽しんでみてください。
【使用レビュー】Line6 HX Stomp
多機能・高音質のマルチエフェクター、Line6 HX Stompを紹介します。今、私が一番気に入って ...