Stomp Effector

【使用レビュー】tc electronics Tube Pilot Overdrive

2021年10月6日

本物の真空管12AX7を搭載した本格的なチューブ・オーバードライブ、tc electronicsのTube Pilot Overdriveを紹介します。

私の4ヶ月の個人的な使用経験に基づいて、ここがおすすめというポイントだけではなく、ちょっとね〜というようなマイナスのポイントや、使用の際に注意すべきポイントもあわせて紹介します。

特に真空管の交換方法については、徹底的に写真付きで解説します。

この機種を導入しようかどうしようか迷っている方に参考になれば幸いです。

商品概要

  • メーカー:tc electronics
  • メーカーサイト:https://www.tcelectronic.com
  • 商品名:Tube Pilot Overdrive
  • 商品サイト:N/A
  • 機能概要:ペダルエフェクター オーバードライブ
  • 取扱説明書(英語):
    https://manuals.plus/tc-electronic/tube-pilot-overdrive-manual
  • レイテンシー:ダイレクト接続の音との差:なし
  • サイズ:幅x高さx奥行 74mm x 58mm x 132mm
  • 重量:0.5kg
  • 電源:別売ACアダプターにより供給 (9V/センターマイナス)
  • バッテリー寿命:
    電池スナップ経由で9Vアルカリ使用時:約1時間20分(実測値)
  • 実勢販売価格:6,000円弱(2021年10月現在)
  • 購入時期:2021年5月

良い点

1. 本物の真空管を使ったサチュレーション感ある歪み

このサチュレーション感は、トランジスタやオペアンプやCCD、あるいはデジタルなモデリングアンプでエミュレートして似せて寄せての音色とは全く別格です。

2. 真空管を交換できる

使用してる真空管は12AX7という標準的なもので、各メーカーから販売されており、入れ替えが可能です。

入れ替えの手間は、私が持っている別の真空管プリアンプART Tube MP Studio V3と比べるととても簡単で、軽い気持ちで換装できます。

私もしばらくは最初からついていたBugeraの真空管を使っていたのですが、さっそく換装に挑戦してみました。

まず両側の計4つのネジをドライバーで外してカバーを外します。

次に真空管の頭を押さえている白いプラスチックの部品が止まっているネジを回して、この部品を外します。

外すと、真空管の頭が見えます。

ここからが多少神経を使うのですが、周りにあるコンデンサの部品の足を折らないようにしながら指を伸ばして真空管をつかみ、左右に大きく動かします。

最初はなかなか動かないですが、ある時どちらかの方向に大きく動く時がありますので、その後は同じことを繰り返すと、真空管が外れます。外した後はこんな感じです。

Bugeraの真空管が無事外れました。

私はまず、S4GBのclean highgradeの真空管を刺してみることにしました。Bugeraと比べると歪み始めが遅くなったようです。

この真空管を3ヶ月ほど使ってから、今度は同じメーカーS4GBのlow gain highgradeの真空管を挿して、今はこの真空管を使っています。

これ以外にも、S4GBのnormal gainとhigh gainの真空管を調達済みですので、次の機会にはこれらを挿してみたいと思っています。

3. 低価格

本家のTube Driverに比べて価格が安いのも魅力的です。

tc electronicsって本当に素晴らしいメーカーですね。

ただ、真空管をいろいろ交換して追い求めていくと、それなりの追加コストがかかります。

4. ゼロ・レイテンシー

レイテンシーの測定結果は以下の通りです。

アナログ回路ですので当然ですが、レイテンシーは測定できませんでした。

アナログ機材って本当に素晴らしいですね。

悪い点

1. 歪み始めるのがちょっと早い(※個人の感想です)

バイパス音と同じ音量で、かつ、出来るだけクリーンな音が出るように設定した時のつまみが以下の通りです。

この段階でも少し歪んでいて、ここからGainを9時くらいまで上げるとさらに歪んでいきます。

クリーンプースターとしてはなかなか使いづらいといったところです。

クリーンで使うのであれば、ART Tube MP Studio V3の方がクリーンの幅が大きいです。

一方、真空管の歪みを求めるのであれば、Gainつまみの9時以降はどんどん歪んでくれます。

また、前段にブースターをかませば、ブースターの出力によってGainのつまみが低くてもしっかり歪んでくれます。

2. ACアダプターが必須

電池スナップを介して9Vアルカリ電池を使用した場合の稼働時間は1時間20分でした。

やはりACアダプター(400mA以上)で使うのが実用的なようです。

まとめ

自分の音色が「何だかデジタルくさいなー」と思った時に真空管の香りをつけるのに最適のペダルです。

真空管を交換して楽しむこともできますので、歪みは真空管じゃなきゃ駄目な人に是非お薦めします。

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